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亞書大売出し?感謝セール?倒産した、りすの書房のコメントがなかなかの言い分だと話題

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りすの書房という出版社から出ている「亞書」という本が、国会図書館からの出版物代償金の不正受給を目的に作られたんじゃないか?というニュースが昨年に話題になったのを覚えているでしょうか?

あれから少し時間が空きましたが、国会図書館では、りすの書房に対して正式に「亞書」の返却とこれまでに支払った代償金の返金を請求したことが発表されました。

国立国会図書館は、発売元から聴取を行い検討した結果、郵送された『亞書』各巻1冊は、頒布部数が少なく、また、国立国会図書館法に列挙された出版物に該当せず、国立国会図書館への納入義務の対象には当たらないものと判断したため、『亞書』を発売元に返却するとともに、発売元に支払い済の納入出版物代償金の返金を求めることとしました。
代償金の支払いについては、一層、厳正な運用に努めてまいります。

http://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2015/1214208_1830.html

これを、りすの書房側も、完全に不満をあらわにしながらも受け入れたとのこと。 ちなみに、りすの書房はすでに倒産しているそうです。

りすの書房側のコメント・反応 まさかの亞書大売出し?

りすの書房は、当初この疑いがかかったことに対して、他にもオンデマンド本も多く納入されているし、納得がいかないとコメントしていました。
「亞書」が意味をなしていないということについては、現代アートの本だからだと。

言ってる内容としてはたしかにこの制度の抜け道を通ってるとは思うのですが、ここまで大々的に取り上げられたこともあり、受け入れることを納得したようですね。

ただ、そのコメントが、なかなかの言い分です。

以下が、発表されたりすの書房のコメントの一部↓

本日、国立国会図書館のホームページ上にて、旧りすの書房発行『亞書』に関する代償金の返還を求める旨が公示されたため、当社はこれを以て正式な請求があったことと見なし、当該代償金計百三十六万円の返金を決定致しました。

 本件について昨年十月以降、国会図書館と幾度にも渡る会談を行いましたが、図書館側が「頒布実態等の調査」と称する井戸端会議の内容はしかし、或いは当社のネーミング、或いは景気の理非曲直など、屁も出ないほど退屈な題目ばかりで、その滑稽な三文芝居には、はじめのうちこそ噴飯を禁じ得ず、酒の肴にもなりましたが、数を重ねるごとにいよいよつまらず、くそも出ず、おいお前、そこの偉いの、そろそろ本題に入ろうじゃんか、返還額を書面でくんな、と国会図書館収集書誌部国内資料課課長補佐に申し上げ、内容証明郵便を心待ちに、店の軒先でぶるぶるふるえておりました。しかし待てど待てども、いつになっても請求は来ず、倒産しました。以上が本件の経緯であります。

また懸案の『亞書』の適正価額に関しましては、業界慣例である再販制を尊重する見地から、これを断じて見直さない代わりに、大感謝セール、六○○円の叩き売り、月末恒例『亞書大売出し』を近く開催する予定です。カスタマーの皆様におかれましては、何卒ふるってご参加下さい。

「亞書」制作者がコメントを発表 国立国会図書館の対応に不満 (ねとらぼ) - Yahoo!ニュース

「大感謝セール」って、ちょっと何に感謝をしてるのか分かりませんが笑、
6万円⇒600円って尋常じゃない値段の下げ方ですね。

残念ですけど、買う人は出てきてしまうかもしれないですね。。

 

「亞書」ってどんな本だった?

かんたんに振り返っておくと、この「亞書」という本は、意味をなさないギリシャ文字が全ページに羅列されただけの本で、それが第1巻から第78巻まで発行されており、1冊の値段は定価6万円というもの。
アマゾンなどでも販売されていましたが、注文を受けてから製本するオンデマンド出版本で、販売実績はゼロだった模様。

国会図書館ではこの「亞書」に対して、納入出版物代償金として42冊分・約136万円を支払っていましたが、ネットで「亞書」の金額と内容を見たユーザーたちから「出版物代償金の不正受給が目当てで出版したんじゃないか」という声が上がりはじめ、国会図書館もそこで「亞書」のおかしさに気が付き、調査・検討をし始めたということです。

国会図書館の納入出版物代償金の仕組み

以前に話題になったときに知った人も多いと思うのですが、そもそもこの出版物代償というのが何かというと、国会図書館では、基本的には日本で出版されるすべての出版物を納入することになっていて、そして納入時には、その本の価格の半額と送料が出版元に支払われるものになります。

つまり、出版した本は、よほどの高額な場合以外は特に厳重な審査などはなく、ほぼ自動的に納入され、納入出版物代償金が支払わられるということ。

りすの書房は、そこを狙って、高額だけどぎりぎり目を付けられなさそうな金額に設定した、内容は意味をなさない本を何十巻と出したんじゃないかと疑われたということですね。なかなかの悪知恵ですねー。

 

今回の国会図書館の対応は?

国会図書館としてはもともと、「亞書」は装丁などはしっかりしていた本であったため、特に疑わず納入出版物代償金支払っていたようですが、改めて検討・調査したところ、やはり納入基準に該当する本ではないという判断を下したようです。
いちおう基準としては、頒布部数、つまり本当にちゃんと世の中に売るために作られた本なのか?というのはあったようですね。

日本のすべての本を納入する、という目的自体は図書館として素晴らしいことだと思いますが、ただ、ほぼ自動的に納入を受け入れていたというのはちょっと体制としてあれな気はしますよね。

今回ほど極端なものではなくても、過去にも近いことはあったんじゃないか?という疑いも持ってしまいます。

今回の件で、今後はオンデマンド本の審査を厳格化する方針とのことなので、同じような例は出てきづらいとは思いますが。

ただ、78冊の本とはいえ、原価はあまりかかっていないと思うので、出版者にとってはそれほど痛くはないかもしれません。
万一、600円セールで売れでもしてしまったら、利益さえ出てしまうかもしれないですね…。