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「セシルのもくろみ」原作小説のあらすじ(ネタバレ)を最終回の結末まで、どこよりも詳しく紹介!

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唯川恵さんの小説セシルのもくろみ」は、人気女性誌「STORY」で連載されていた物語です。

「STORY」が30代後半~40代の女性が読者層である雑誌なだけあって、物語の舞台や主人公もまさにその世代の女性。

そして、主人公である30代後半の主婦が、まさに「STORY」のようなファッション誌にモデルとして関わっていくようになり生活が大きく変わっていくという話です。

 

ちなみに、タイトルにある「セシル」の由来・意味は、フランソワーズ・サガンの小説「悲しみよこんにちは」に登場する少女の名前。可愛い顔をしながら裏の顔を持っていたことから、この物語でも、“女の裏の顔”みたいな意味で使われています。

 

この小説のあらすじについて、詳しく紹介していきます。

※物語の全体の流れと結末までの詳しいあらすじを紹介しているため、ネタバレ注意です。

 

セシルのもくろみ (光文社文庫)

セシルのもくろみ (光文社文庫)

 

 

「セシルのもくろみ」の登場人物・キャラクター

まず、以下にこの物語に登場する主要な人物をざっと簡単に紹介します。

 

  • 奈央→主人公の38歳主婦。ダメ元で受けたオーディションから読者モデルの仕事を始めることになる。
  • 伸行→奈央の旦那、41歳。大手自動車メーカーに勤めるエンジニア。
  • 文香→奈央の大学時代の友人。奈央を読者モデルのオーディションに一緒に参加するよう誘う。
  • 南城編集長→奈央たちが出演する女性誌「ヴァニティ」の編集長。
  • 安原トモ→奈央たちのメイクを担当。金髪の短髪だけどオネエ系。
  • 坂下葵→奈央と同期でヴァニティに採用された読者モデル。
  • 小田亜由子→同じく奈央と同期の読者モデル。
  • ミーナさん→「ヴァニティ」の表紙に登場するトップモデル。
  • 沖田→ファッションライター。奈央に親切にアドバイスしてくれる。

 


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「セシルのもくろみ」のあらすじ(ネタバレ)

この小説のあらすじを簡単に言うと、専業主婦をしていた30代後半の女性が、ちょっとしたきっかけから読者モデルを始めることになる。そしてモデル界の争いやいざこざに巻き込まれつつ、自身の考え方や性格、生活も少しずつ変わっていく。というもの。

まとめてしまうとシンプルな話ですが、モデルという独特な女性の競争社会の描き方が上手くて、そこに主人公の奈央が自分でも予想していなかったほど巻き込まれ、そしてのめり込んでいく様子が面白く、小説は一気に読めてしまいました。

同世代の女性なら特にドンピシャなストーリーかもしれませんが、それ以外の世代や男性でも面白い話だと思います。

 

以下、物語の流れを結末まで詳しく紹介していきます。

 

読者モデルに応募する専業主婦の奈央

●奈央は、タワーマンションに住んでいる38歳の専業主婦。

夫は大手メーカーに勤めており、平均以上の生活が送れている。これまで生活に不自由はなく、主婦業にも不満は無かった。

ただ、息子の智樹も中学1年生になり、子育てにも手がかからなくなってきたこともあり、自由な時間が増えてきた。

趣味や習い事など、何か新しいことを始めたいという気持ちが芽生え始めてきていた奈央。

 

●そんなとき、先日大学の同窓会で会った友人の文香から電話があった。

誘われてカフェにお茶をしに行くと、「一緒に読者モデルに応募してみない?」と誘われる。人気女性誌「ヴァニティ」の読者モデルオーディションが近々行われることになったのだという。ヴァニティは30代後半から40代前半の女性をターゲットにした女性ファッション誌。奈央もときどき読んでいた。

ただ、文香は美人でスタイルも良いし分かるが、奈央は顔は平均的、スタイルも結婚当初に比べると体重も増えて、モデルができるとは思えない。

それでも、「遊びみたいな感覚でいいから」という文香の強引な誘いに、奈央もオーディションに参加することになった。

 

●そしてオーディション当日。会場に向かうと、予想通り美人でスタイルの良い女性ばかりがたくさん集まっていた。

場違いな恥ずかしさを感じながらも、どうせなら楽しもうと面接に臨む奈央。

ただ、奈央の面接は5分程度であっという間に終わった。一方、文香は10分程度と他の応募者に比べても長い面接時間で、本人も手ごたえを感じているようだった。

 


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まさかの合格でモデルの仕事をスタート

●どうせダメ元で受けたオーディションではあったものの、どこかで「もしかしたら」という気持ちも持っていた奈央。しかし、オーディションから2週間が過ぎたころには、もうすっかり諦めて、新しい趣味や習い事について考える時間が多くなっていた。

そんなとき、突然ヴァニティ編集部の黒沢という女性から電話があった。
「ぜひ、読者モデルとして誌面に登場してほしい」という。

すぐには信じられなかった奈央だったが、電話が切れると喜びがこみ上げてきた。

そして、当然合格しているだろうと思った文香に電話で「私も受かったよ、一緒に頑張ろう」と連絡をした。

しかし、文香は「私お断りしたの。読者モデルなんて、ちゃんとした主婦がやるような仕事じゃないから!奈央もやめておいたほうがいいんじゃない?」と言う。

文香はオーディションに不合格だったのだ。

しかし奈央は「せっかくだからしばらくやってみようと思う」と告げた。
「勝手にすれば!?」とイライラしながら電話を切る文香。

 

●夫の伸行は、奈央が働きに出ることには反対だったが、読者モデルの仕事を始めると伝えると、意外にもすんなり受け入れてくれた。息子の智樹も興味を持ってくれた。男にとっては、妻や母がモデルというのは嬉しさもあるのかもしれない。

ひと月に数回、それも数時間だけの仕事であること、家事には影響をさせないことを約束して、正式に読者モデルを始めることにした奈央。

 

●そして読者モデルとして初めての仕事の日。

現場に向かうと、奈央のほかに今回採用された2人のモデルがいた。
ひとりはすらっとしたハーフ美人の坂下葵・39歳。もうひとりは、少しおっとりした小田亜由子・36歳。タイプは違うものの、2人とも高級ブランドも似合う、いかにもモデルらしい女性だった。

2人と比較してまた恥ずかしさを感じてしまう奈央。

編集スタッフたちとの挨拶をすませた後、誌面で紹介する初めての撮影が行われることに。
3人それぞれにメイクが行われる。

 

●メイクを担当するのは、安原トモという金髪の男性。しかし、喋り方からするにオネエ系だった。「美のカリスマと呼んでちょうだい」とフレンドリーに話しかけてくる。
メイクをしてもらう頃になると、すっかり自信を失っていた奈央は、「どうして私みたいなのがって思ってるんでしょ?」とトモさんに話してみた。

すると「たしかに、いまのあなたは読者モデルとしてはかなりレベルが低いわよね」と、はっきり言うトモさん。

「でも、大事なのはこれからじゃない。どうしてあなたが選ばれたか分かる?最初から美人でスタイルが良い女性ばかりじゃつまらない。最初はダサかったけど、それでも綺麗になっていく女性がいたら読者にも共感されるじゃない」と続ける。

さらに、「まずは5キロ痩せなさい。たるんだあごのラインを引き締めるだけでだいぶ顔の印象が変わるから」と。トモさんは、口は悪くてはっきり言うけど優しい人だった。

そして、初日の撮影は何とか終わった。

 

 


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モデルの世界は競争心・嫉妬がすごい

●その後も、自分で持参した洋服がいまいちなせいで、スタイリストがいつも奈央のための代わりの服を用意してくれていたりと、劣等感を感じることが多くありつつも、何とかモデルの仕事をこなしていく奈央。

トモさんから言われた通り、ダイエットにも励んでいた。

また、トモさんからは、この業界の裏話などについても聞いていた。

「ヴァニティ」で活躍しているプロのモデルも、実は元・主婦の女性が多いのだという。

そんな彼女たちも最初は、余計な肉もついていてとてもモデルとはいえない状態だった。でも、モデルとして活動していく中で、プロ意識が芽生え、また周りに負けてたまるかというライバル心も出てきた結果、綺麗になってモデルらしくなるのだという。

そして、そんなモデルの中で、「ヴァニティ」のトップのカリスマモデルとなっているのが、沢口美奈子、ミーナさんという愛称で呼ばれている女性だった。

ミーナさんは、飛びぬけて美人だったりスタイルが良いわけではない。でも独特なオーラのあるモデルだった。

実はミーナさんの息子が、奈央の息子・智樹と同じ学校に通っていることを知り、より親近感を持つ奈央。

 

●何とかモデルの仕事を頑張ってこなす奈央。すると、美人過ぎずスタイルが良すぎない奈央は、読者にとっても等身大のモデルとして人気を得てきていた。そして奈央がエステやヨガなどにチャレンジしてもっときれいになっていく、奈央の連載企画が始まることになる。

しかしその話を聞いて嫉妬心を抱く、同期のモデルの葵と亜由子。

さらに、亜由子も家事をテーマにした連載企画を持つようになると、それによって苛立ちをつのらせる葵。

しかし、あるとき、ヴァニティのナンバー2、ナンバー3の2人が撮影中に揉めて大喧嘩をしてしまった。そのせいで、ヴァニティのモデルをクビになってしまう2人。

その代わりに、葵が専属モデルとして誌面に登場することになった。読者モデルから専属モデルへの抜擢というのは異例ということだった。

その話を聞くと「さすが葵さんはすごいわね」と微笑む亜由子。

 

トップモデルのミーナさんと親しくなる奈央

●そんなある日、息子・智樹の学校の担任との面談に行く奈央。
するとその帰り道、ミーナさんと偶然出会った。ミーナさんも息子の担任との面談に学校に来ていたのだった。

奈央は、ミーナさんとは少しだけ顔を合わせたことがあっただけだったが、「よかったら家に遊びに来ない?」と誘うミーナさん。緊張しながらも付いていく奈央。

ミーナさんの家は、目黒にある大きな豪邸。旦那はベストセラーを出したこともある小説家だった。

 

●ミーナさんは、年齢が40を過ぎそろそろヴァニティのターゲット層から外れることもあり、ヴァニティのモデルから卒業するという話が出ていた。

そんなミーナさんは奈央に「専属モデルになって表紙に出たいっていう気持ちはないの?奈央さんだって可能性はあると思う」と聞く。
「私にはそんなことできるわけありません」と慌てる奈央。

しかし、ミーナさんは「これは謙遜じゃなくて、私だって別にそこまで美人だったりスタイルが良いわけじゃない。だから可能性はあると思う。モデルをやっていれば誰だって否応なしに競争に巻き込まれていくものよ」と言い、そして自分が使わなくなった洋服を奈央にくれるという。

「奈央さん私服で困ってるって編集長に聞いたの。それに、私と奈央さんって何となくテイストが似てるじゃない?だから使ってもらえたら嬉しい」と。
自分の持っている洋服に自信がなかった奈央は、喜んで受け取った。

 

その帰り、家の外に出ると、酔っぱらった男がふらふらとミーナさんの自宅に入ってきた。

それがミーナさんの旦那の小説家だった。ミーナさんはあわてて抱きかかえようとするが、隣の家から義母が出てきて「こっちで寝かせるから大丈夫。あなたは都合の良い時だけ奥さんになろうとするのね」と嫌味を言われる。

奈央は見てみぬふりをして帰った。

 


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葵をはめた犯人は?奈央はモデルをクビに?

●ミーナさんにもらった洋服を着ていくと、一気に周りの評判も良くなった奈央。

そんな中、突然差出人不明のメールが届く。そこには、写真が数枚添付されていた。
葵とカメラマンの山下が車の中でキスをし、さらに一緒にホテルへ入っていく写真だった。

その写真は奈央だけじゃなく、ヴァニティ関係者のほとんどに送られていた。
同期のモデルである亜由子は「びっくりした。私励ましのメールを葵さんに送っておいたわ」と言う。

 

●それから2週間が経った撮影日に現場へ行くと、奈央は葵がモデルを辞めたことを聞いた。専属モデルになることが決まったばかりのもったいないタイミングだったが、あんなスキャンダルがあれば無理はないと思った。

奈央はあのメールを送った犯人は誰なのか、ずっと気になっていた。ヴァニティの関係者であることは間違いなかった。

すると、奈央の撮影が終わり、亜由子を呼んでくるように頼まれる奈央。

控室の方に向かうと、壁の向こうから副編集長の石田と亜由子の話し声が聞こえてきた。

「君なんだね、あのメールを送ったのは。君しかいないんだ。僕の携帯から連絡先をコピーして送ったんだ」

黙り込む亜由子。

奈央はびっくりして動けなかった。おっとりしていて葵のことも応援すると笑顔で語っていた亜由子に、まさか葵を蹴落とそうというそれほど強い感情・嫉妬心があることが驚きだった。

 

●その後、亜由子もモデルを辞めてしまい、同期で入った読者モデルは奈央ひとりだけになった。

編集部としても、急に2人が辞めたことで誌面のリニューアルを図らざるを得ない状況に。その結果、奈央は読者モデルとしての契約が終了することを告げられた。

そして最後の企画として、奈央が自分でやってみたいことがないか聞かれる。
奈央は「綺麗にドレスアップして夫とデートしてみたい」と答える。「それ面白いです!」と乗り気になる編集部。

そしてその方向で話は進んでいく。夫の伸行にも顔は出さないことで何とか撮影に参加してもらうよう了承を得た。

 

南城編集長を好きになる奈央?

●奈央の発案した、モデルとしての最後の仕事は、順調に計画が進んでいた。ドキュメンタリー形式で、メイクやドレスアップするところから撮影し、レストランで夫と会って食事をする流れだった。

そして当日、トモさんによる最高のメイクを済ませスタイリストに用意してもらった最高の衣装に着替え、レストランに向かおうとしたとき、突然夫の伸行から電話がきた。

大事な会議が入ってしまい来れなくなったという。伸行が欠席するわけにはいかない会議なのだという。

すでに多くの人を巻き込みスタートしている企画を壊すことになってしまうと、奈央はスタッフたちに謝る。

すると、旦那役に代わりの男性を用意するため、撮影は続行することになる。

そしてレストランに向かうと、テーブルに座っていたのは南城編集長だった。
編集長と長い時間話すのは初めてだった奈央は緊張したが、編集長は奈央のことを「本当に綺麗だ」と何度も褒め、上手くエスコートしてくれた。

 

●それから1か月後。モデルの仕事が終わり再び専業主婦となった奈央。

しかし、あの編集長との疑似デートの夜のことが忘れられないでいた。何度も編集長のことを思い出していた。

「もしかしてこれって恋なの?」と感じつつ、もう会うことはないのだから、とその気持ちを忘れようとする奈央。

これまで少なからずおざなりになっていた家事や料理に力を入れることにした。

 


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今度は専属モデルとしてデビュー

●そんな中、ある日また突然にヴァニティ編集部の黒沢から連絡があった。

もう一度ヴァニティのモデルとして出てくれないかという話だった。しかも今度は専属モデルとして。

奈央の最後に出演したあのデート企画が、想像以上に読者に好評だったことを受けてだという。

しかし、夫の伸行にも今後は主婦業にしっかり専念すると宣言していたこともあり迷う奈央。専属モデルになれば、ギャラも高くなるものの、拘束時間も以前よりもっと増えることになる。

ただ、もう一度モデルができること、そして編集長に会えることを考えると気持ちが高ぶるのは事実だった。

そして何とか夫を説得し、もう一度モデルを始めることにする奈央。

しかしトモさんからも「専属モデルになったからにはこれまでとはまた違うわよ。厳しいことも覚悟しなさい」と言われ、緊張感を持つ。

 

●そして専属モデルとして初めての撮影日が決定する。
しかしそれが、観に行くと約束していた息子・智樹の剣道の試合の日とかぶってしまう。ただ撮影が予定通りに終わりすぐに試合会場に向かえばぎりぎり間に合うスケジュールだった。

現場には、ファッションライターの沖田がいた。沖田は初めて専属モデルとして仕事をする奈央に親切にいろいろ教えてくれた。奈央に予定があることを知ると、気を利かせて巻きで進行もしてくれたおかげで、奈央は試合に間に合うこともできた。

その後も、週2日程度で撮影をこなす奈央。沖田とは一緒になることが多く、アドバイスをもらううちにだんだん撮影にも慣れてきた。

 

●そんな中、沖田は奈央がミーナさんと仲が良いことを知り、「先輩モデルが新人モデルに洋服の選び方のアドバイスをする」という企画をヴァニティに提案する。

するとその案が通り、しかも撮影現場はハワイに決まった。さらにそこには編集長も同行するという。

5日間家を空けることになるが、めったにない機会のため奈央は楽しみに引き受けた。

 

ハワイロケでミーナさんと編集長の不倫が発覚?

●そしてハワイに到着し、撮影が始まった。ショッピングセンターへ行き、ミーナさんと一緒に洋服を買い物する様子が撮影されていく。

「私こんなふうに一緒に買い物できる妹がほしかった。だからすっごく楽しい」というミーナさん。

 

そして3日間の撮影が終わり、みんなで打ち上げの食事をすることに。

しかし、奈央は疲れがたまっていたのか、立ち上がったタイミングでめまいがしてそのまま倒れてしまった。

 

●気が付くと奈央は部屋で寝ていた。スタッフに聞くと南城編集長がレストランから運んでくれたのだという。そして奈央の体には編集長のパーカーがかけられていた。
何とかお礼をしたい、というよりも編集長と話したい、と体が熱くなる奈央。

ふと窓の外を見ると、ホテルの外のビーチを歩いている編集長の姿が見えた。思わずパーカーを持って走り出し外に出る奈央。

しかし、編集長はひとりではなかった。隣にはミーナさんがいた。そして、2人はお互いに見つめ合うとそのままキスをした。

 


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ミーナさんはモデルを辞めて雑誌を立ち上げ?

●編集長とミーナさんの関係を知り、日本に戻ってからも何か裏切られたような気持ちが続いていた奈央。

トモさんにそれとなく聞いてみると、「あの2人長いわよ、もう8年ぐらいになるんじゃないかしら」とあっさり話すトモさん。

さらに、ヴァニティを卒業するミーナさんのために、編集長は新しい雑誌を立ち上げることも考えていたが、不況のためスポンサーを付けることも難しく、その話が流れそうだということまで教えてくれた。そのことでミーナさんは編集長に対して裏切られたような気持ちも持っているんじゃないかと。

 

●そして、ミーナさんの卒業を控えて、ヴァニティの編集方針も変わり始めた。

これまでは一般の主婦目線に近いイメージを大事にしていたものの、有名モデルを起用したりモデルの入れ替えも行われ始めていた。

そして、ミーナさんの後の表紙モデルがついに決まった。人気の歌舞伎役者の奥さんだった。予想されていなかったある意味サプライズの人選だった。

 

●ついにミーナさんの最終の撮影日がやってきた。

多くの人に見送られながらミーナさんは「お世話になりました、新生ヴァニティを楽しみにしています」と潔く去っていった。

ミーナさんはモデル活動はもう辞めると聞いていた。

 

新生ヴァニティの売上は芳しくなかった。表紙がミーナさんから変わって以降、明らかに売り上げが落ちていた。

編集部の方針の変更に不満をもらし、出て行くモデルも増えていた。

 

●そんな中、奈央は久しぶりにライターの沖田からランチに誘われた。

沖田もいまのヴァニティには魅力を感じず仕事を受けるのを辞めるという。

そして、新しく立ち上げられる女性誌に移るといい、そこに奈央にモデルとして来ないかと誘う。
さらに驚きなのは、その雑誌の編集長となるのがミーナさんだという。

そしてそのランチの場にミーナさんもやってきて、直接奈央を誘う。ミーナさんは、結局その後離婚をしたという。そして心機一転、今度はモデルではなく編集者として働いてみようと決めたのだという。

たしかに2人からの誘いは魅力的だった。しかし、自分を育ててくれたヴァニティを離れることにも抵抗があった奈央は、しばらく考えさせてもらうことにした。

奈央はふと、ミーナさんが新しい女性誌に関わるのは、南城編集長への復讐の意味もあるんじゃないかと思った。自分は離婚した。でも編集長はこれまで通り家族との関係を続けている。

 

南城編集長と一線を超える奈央

●そんな中、奈央は南城編集長から食事に誘われる。
実はミーナさんたちから誘いがあることは、編集長の耳にも入っていた。
「奈央さんには今後もヴァニティを支えて行ってほしい」と頼む編集長。

しかし、それから数週間後、南城編集長が編集長をおろされたことが分かった。代わりには、石田副編集長が昇格するという。
理由はヴァニティの売上が落ち続けていることだった。

 

●編集長としての最後の仕事の日、南城は撮影現場にやってきた。

そしてその帰り、奈央は思い切って南城を飲みに誘った。
「ありがとう、僕を慰めてくれるつもりだったんだね」と言う南城。
「嫌なんです、南城編集長のいないヴァニティなんて」

感情が高揚していった奈央は「私バカなことを言います。もし受け入れてもらえないなら帰っていただいて構いません。でも、私、帰りたくありません…。編集長と2人になりたい…」

そして、奈央と南城はホテルの部屋に入った。
奈央は夫には決して話せない秘密を持ってしまった。でも、現実が遠くなるようなこんな感覚は久しぶりだった。

 

●奈央は、ミーナさんの誘いを断ることにした。

ヴァニティが落ちていっているのは確かだったが、裏切れない気持ちのほうが強かった。
「ミーナさんにライバルと思ってもらえるよう私も頑張ります」と奈央は宣言した。

同じく誘いを受けていたメイクのトモさんも、奈央と同じくヴァニティで頑張りたいと残ることを決めていた。

 

●今回の一件以来、奈央は家族の大切さを改めて実感していた。モデルの仕事を頑張れるのも、家族がいるからだと。

また、編集長との秘密を抱えたことで、夫婦だろうと親子だろうと、それぞれに人生があることを改めて実感していた。

大切な家族を守りながら、いまの年代になった自分が頑張れるモデルの仕事も続けて行きたいと気持ちを強く持った。

 

そんな中、もともと読者モデルのオーディションに奈央を誘った文香から電話があった。
ミーナさんの新しい雑誌で読者モデルをすることになったという報告だった。

以前はバカにしていた仕事を自分が始めることになった恥ずかしさもあってか、強がるように話す文香。
「これからはライバルね。私負けないから」と言う文香。

奈央は余裕の笑いを浮かべながら、「お手柔らかに。ヴァニティはそんな簡単に負けないわよ」と返した。

 

ミーナさんにも、沖田にも、文香にも絶対に負けない。

奈央はいつのまにか自分でも驚くほど強い気持ちを持つようになっていた。

――――――

以上、
かなり長くなったけど、小説「セシルのもくろみ」の全あらすじネタバレでした。

 


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「セシルのもくろみ」を読んだ感想

「セシル」というタイトルにある通り、女性は何歳になっても実は裏に秘めた強い気持ちを持っているという感じのテーマだったと思います。

奈央が言っていた、女性は年齢を重ねていくと「綺麗になりたい」の意味が変わってくる。30代後半にもなると、男性からどう見られるかということよりも、女性にどう見られるかというほうが重要になってくる。という部分は、女性の複雑な感情が現れている部分だと思いました。

そんな女性の姿を観るのはちょっと怖い気もするけど、ある意味何歳になっても強い気持ちを持って情熱を傾けられるものがあるというのは、素敵なことなのかも。

奈央の場合も、そんな世界に入らずに主婦として好きな習い事でもしておけば穏やかでラクだったけど、いざ入ってみると、強い競争心や自尊心も出てきた。

この話の場合はモデルという仕事柄もあったけど、そんなハードな状況にいるほうが、生活にハリがあって綺麗でいられるというのはあるのかもしれません。

やっぱり特に女性が共感しやすい話かもしれないですね。


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